人間は、2本足で歩行する代表的な脊椎動物です。人は他の脊椎動物と同じように、母親の胎内にいる胎生期には、子宮内で膝を曲げ、あごを引いて丸まった状態で育ちます。
しかし誕生し、ハイハイ歩きをし頭を持ち上げるようになった時には、赤ちゃんの首の骨は後ろに反り返った状態になっています。 続いて2本足で歩行するようになると、首だけでなく今度は腰の骨が前方に湾曲した形をとるようになります。
これらの湾曲が、その人の体にとって適切であれば、頭の重さや体の重さを受け止める助かるショックアブソーバーの役割をしてくれ、体のバランスをうまく保ってくれるはずです。しかし悪い状況で固定されてしまうこともあります。体の正しい重心線は耳を通り、第1と第12胸椎の椎体(肩の関節のほぼ中心)を通り、そこから仙骨の隆起を通過し、股関節のやや後方から膝関節の前に降り、さらに足の外くるぶしのやや前方を通ります。
思い当るふしのある方もいると思いますが、肩をすくめた前かがみの姿勢、頭が前に突き出した姿勢、背中が極端に後ろに曲がりお腹が前に飛び出した姿勢の人が多くいらっしゃいます。長年この姿勢を続ければ、脳がこの姿勢を無理やり楽で正常な状態と解釈してしまいます。実際にはこの姿勢を保つのに必要なよけいな筋肉の緊張も、関節にかかる負担、しいては内臓にまであたえる悪影響をも、脳は容認し受け入れてしまいます。
さて、寝ている時の不良姿勢にも同じことが言えます。たとえば長年高すぎる枕を使用していた人は、実際には首や肩の筋肉に過剰な筋緊張をしいられていても、その人にとってその姿勢は正常と感じられるようになります。平均睡眠時間が8時間の人は、人生の約1/3もの時間が睡眠時の姿勢です。
では体にとって良い枕とはどんな形状の物なのでしょうか。首のカーブの深さは立った状態で、男性では約3〜5cm、女性では2〜4cmぐらいです。したがって仰向きで寝た時にこの首のカーブを保ちつつ、脳からの血液還流が良くなるよう、耳の位置が心臓より少し高くできる形状の枕が理想です。
人はもちろん寝返りもうちます。横向きで寝ている時は、肩を前方に出し体の重さを広い面積で受け止め負担を分散する姿勢をとります。この時に、仰向けと横向き時の肩幅の差はほとんどの場合、仰向けでの枕の高さのなかで補うことができます。だから高い枕は多くの人に必要ないのです。(一部の人は別)
また腰の骨の前カーブを強くしすぎないためや、日常のストレスから心の安静を取り戻すために、本能で母親のお腹の中の状況を思い出すのかエビのように丸くなって眠ったりもします。その様な姿勢が楽にとれることも、枕の形状に必要な要素でしょう。
枕の中の素材は、現在本当に多くのものがあります。それぞれに素材の持つ特性があり長所も短所もあり、非常奥の深い話になってしまうので、それはまた書けるときに書きます。
● 頭部・頸部・肩部に負荷がかかりにくい枕とは ● | ||
高すぎる枕の場合、首・肩の筋肉に過度の緊張が起こり、これが肩こり等の原因となることがあります。 |
首を支える部分だけが高い枕の場合、あごが上がり舌がのどの方へ落ちやすく、いびきをかく原因にもなります。 |
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低すぎる枕、枕を使わない場合、首の骨がまっすぐ又は後湾してしまい、首の神経が障害され頭痛や肩こりの原因となることがあります。 |
理想的な枕の場合、仰向け姿勢で首の骨をゆるやかな前方へのカーブに保つことができ、後頭部の落ち着きもよく、首・肩が楽な状態で眠ることができます |
勝田整体治療院院長 勝田研司(工学士・整体師・柔道整復師・鍼灸師)
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